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介護ほっとステーション



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自分史94 介護保険制度後の地域の変化

  美々ちゃんという名前の友人の猫ー全然なついてくれない


  「おはようございます。コムスンの訪問入浴です。利用者の紹介をお願いします。」
コムスンの派手なテレビコマーシャルを覚えていますか?
制度施工後コムスンがいち早く飯田に訪問介護事業をはじめ、その2年後に訪問入浴を開始しました。
我が訪問看護ステーションの事務所に毎朝3人の若者が営業に訪ねてくるのです。
利用者が増えないようです。
とても礼儀正しく感じの良い若者たちです。
はじめは丁寧に「承知しました。いましたら紹介しますね」と答えていました。

でも毎朝やってくる営業活動が気の毒になりました。
よくよく考えると介護保険制度施行後民間や医療法人による施設開設がいっきに増えました。
その前年度はグループホームなども含めなんと250床の施設が開設されました。
すぐ入居が満杯になりました。つまり1年で在宅療養者が250人減ったことになったのです。
我が訪問看護も利用者が減りました。新しい利用者が増えませんでした。

営業に回っても増えるというものではありません。
「上司の方に伝えて。昨年介護施設がこの地域に250床も増えて私たちの訪問看護も新しい利用者が増えません。営業に回ってもしばらくは難しいと思います」と話ました。
翌日からピタッと来なくなりました。

その後、コムスンは不正請求で閉鎖に追い込まれました。
現場で一生懸命働いていた職員を知っていただけに同情せざるを得ませんでした。
ある村のひとつしかない社会福祉協議会の訪問介護は土日・祝日・時間外の訪問はしてくれませんでした。それを埋めていたのはコムスンの訪問介護でした。

わがステーションも大きな影響を受けました。
平成8年、飯田市から1時間ほどの行ったところの人口700人の小さな浪合村に支所を開設していました。
その近辺には同じような小さな村が4村あり、その住民を対象にして開設したのでした。浪合村に住む元保健婦さんが一人で奮闘してきました。常時10人くらいは利用者がいました。
ところが平成16年に浪合村の隣村で開業していた個人医院で療養病床を20床開設しました。10人ほどいた支所の利用者のほとんどが入所したのです。
支所の採算が取れず平成18年に閉鎖しました。
支所は10年間の営業で終わりになってしまったのです。
思い出すのは支所の訪問看護がなければ実現しなかった在宅死を選んだ方々です。
肺がんの末期を自宅で過ごすことを望んだ高齢男性です。
息を引き取るときは妻の腕の中で安らかに逝ったのです。妻からとても感謝されました。

在宅重視だったはずの介護保険制度は施設重視になってしまったと残念でした。
しかし、介護者が居ない高齢者世帯、単身者にとっては施設しか選択がなく有難いと思うます。
明日は我が身です。
| 今村 洋子 | - | 13:02 | comments(4) | trackbacks(1) |
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コメント
在宅看取りに関する内容を緩和医療学会で発表した時に、地方の在宅されている先生からどうしたら在宅看取りが増えるのか?と質問されました。近くに施設がたくさんあり、みな施設に入所してしまうようです。東京は土地がなく、人があふれていますから、在宅で最期まで過ごすしかないという事情もあるのでしょうが、やはり本人が家で過ごしたいという、人生最後のわがままを周りがどれだけ受け止めてあげられるか‐周囲に受け止めてあげられる余裕もないといけませんが‐だと思います。
| なおちゃん先生 | 2014/02/09 2:29 PM |
 なおちゃん先生
訪問ありがとうございます。
本当に在宅看取りはご本人は安らかに逝くことができ、ご家族の満足も得られることを何度もみてきました。

昔はみんな在宅看取りだった。
でももうそんな経験が地域にも家族にも伝わっていない。
自宅での看取りをとても不安がるのですよね。
なにか異変があるとすぐ救急車を呼んで入院させてしまう。
すると胃ろうとか中心静脈栄養とか、かえって本人を苦しませてしまう。
やっぱりなおちゃん先生のように学会発表したりして、啓蒙していくことが大事なのだと思います。
これからも頑張ってください。



| 今村 洋子 | 2014/02/09 7:09 PM |
地域の施設も今やさまざまな役割を持っていますよね。
生活保護の方々を集めてサービスをフルに入れるプランをみて、何か違うなぁと首を傾げたり、施設内の部屋から部屋へ病院での回診のように往診に回る在宅診療医の姿も…?
どなたの利益のために在宅での療養が推し進められているのか(^^;)と思うことしばしばです。
だからなおさら、訪問看護はどうあるべきか?自問自答の
日々です。
| yasuko | 2014/02/23 10:32 PM |
yasukoさん
訪問ありがとうございます。
ブログ怠けていて訪問気がつかなくてごめんなさい。

訪問看護の実践をしていて色々疑問を感じることありますよね。

ある村の「地域密着型小規模多機能施設」が苦労して看護師とケアマネを確保して昨年11月に開設しました。
ところが利用者が全然増えません。ただいま1人だけです。ちょっと開設のお手伝いをしましたのでどうしたら良いか本当に困っています。
小規模多機能はとても良い制度だとおもうのですが、今まで利用していたヘルパーやケアマネを変えねばならないというところに問題があるのでしょうね。
訪問看護ステーションを開設して利用者が増えなかった頃の3カ月のことを思い出してしまいました。

やはり福祉とはいえ事業ですから収益がなくてはね。

| 今村 洋子 | 2014/03/10 7:52 PM |
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