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ゆうゆう介護塾 第15話 「小さい床ずれも要注意」
ウバユリの写真
 日曜の午後です。以前私の講演を聞いた
ことがあるという中年の男性から電話を頂きました。

「今朝、3カ月前から寝たきりの母のオムツ交換したら、お尻の床ずれから汁がジクジク出ています。家にはガーゼがありません。ガーゼがありましたら、ガーゼだけでも当てに来ていただきたいのですが。」

よくお聞きすると母親は老衰で危篤状態とのことです。主治医より自宅で看取るようにといわれて覚悟しているとのこと。

訪問看護は主治医の指示書がいるのですが、主治医は朝からお留守で連絡が取れないそうです。指示書がないと訪問看護の報酬の請求ができません。

『まあ。しょうがないか。もうじき最後を迎える方だから、無料でガーゼだけ当ててあげましょう。』

私はそう決心して、電話を頂いたお宅へ、ガーゼ缶と訪問かばんを持ってうかがいました。

 85歳になるというHさんは白髪の品の良い方で、目をつぶって少し荒い呼吸状態で眠っていました。血圧を測ると上が80しかありません。普段は120くらいとのことでやはり危険な状態のようです。お熱を測ると38度5分もあります。肺の音は良い音で肺炎のようには見えません。

「先生はお熱が高いのはご存知ですか?」
「いいえ、熱が出ているとは私たちも知りませんでした。」
「そうですか。とにかく床ずれにガーゼだけ当てておきますから、一刻も早く往診を受けてください。」

 私はそう言って、床ずれの処置を始めました。
お尻(尾骨のあたり)の床ずれは2センチ四方の黒い壊死した皮膚になっています。その周りから浸出液がしみ出ています。

黒い皮膚はもう剥がれる寸前でした。ピンセットで摘まむとすぐ剥がれ落ちました。
するとそこから多量の青い膿がドーと流れ出てきました。

ご家族はびっくりして見ています。

周りのぶよぶよした皮膚を手で押すと、また多量に青い膿が出てきました。すっかり出してしまうと、大きなポケット状の床ずれになりました。

もしかして熱が出て血圧が下がったのは、この床ずれが原因だったかも知れないと思いました。

たくさんのガーゼを当てて、床ずれに尿が回らないオムツの当て方をご家族にお教えして、そのお宅を後にしました。

 翌日です。Hさんの主治医からお礼の電話をいただき、指示書を発行するので床ずれのガーゼ交換に毎日訪問して欲しいと依頼されました。

膿が多量に出た後、Hさんは熱が下がり、食欲も回復して元気になりました。

床ずれは完全に治癒はしませんでしたが、危篤状態と言われていたHさんはその後3年間、ご家族の暖かい介護を受けて天寿をまっとうされました。

「あのまま死なれていたら、とても心残りだった。」とご家族からとても感謝されたのでした。

ケースから学ぶ

 床ずれも小さいからと安心して初期処置を間違えるとHさんのようなことが起こります。
小さな傷口から細菌感染して、皮下及び深部の筋肉組織が急性の化膿性炎症を起こし、皮膚の下の肉がどろどろの膿になってしまうのです。
それは発熱をともない、時にショック状態になることもあります。


特に一番床ずれが出来やすいお尻(仙骨部位)は尿や便で汚れやすく、細菌感染する可能性が大きいのです。

お尻に傷が出来たらまずは尿と便の汚染を防ぐことです。これは男性と女性で対応が違いますし、また傷の大きさによっても違ってきます。
Hさんの場合は傷が大きい間はやはり、尿留置カテーテルを使用して尿汚染を防ぐようにしました。いずれにしても医療機関や訪問看護の知恵をお借りしてください。

また傷には浸出液が染み出さない量のガーゼを当てることが大事です。浸出液がガーゼを通して染み出すとそこから感染する可能性があるからです。

 ステーションを開設した頃はガーゼを医療機関から提供されてないところが多く、薬局から購入した1枚40円もする小さなガーゼを1枚だけ当てていて、ほとんど目的を果たしていず、オムツや寝巻きに浸出液がはみ出している方が多くいました。

私たちのステーションで安価な消毒ガーゼを提供しました。
消毒したガーゼを必要な量当てるだけで、床ずれが状態悪化する人が少なくなりました。


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