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介護ほっとステーション



ゆうゆうケアマネ塾 第8回 「介護疲れを予防する計画を」
ダンコウバイ

 Nさん(66歳 男性)は数年前から、医療保険による訪問看護を利用していました。
嚥下障害がひどくなり、だんだん痩せてきました。
昨年、65歳の誕生日を待って、その日に介護認定の申請をしました。そして私がケアマネを担当させてもらうことになりました。障害者として永いこと不自由な生活をしてきましたが、65歳にならないと介護保険制度は利用できなかったからです。

 それから間もなくです。誤飲性肺炎を起こし、長期間の入院になりました。
そして、寝たきりになり、胃ろうで栄養を取る重度の障害者なってしまいました。まるで介護保険制度が利用できるのを待っていたかのようでした。「介護度5」の最高ランクに認定されました。

 Nさんは生後8カ月の時に「はしか」に罹り、高熱が原因で脳性麻痺になったのです。
「あの当時は薬どころか食べ物もない時代でした。時代が悪かったとしか言いようがありません。」と80才代の後半に差し掛かったNさんの母親が悲しそうに話してくれました。

 Nさんのお世話は今まで母親がしていましたが、重度の障害になったNさんの介護はとても出来そうもありませんでした。しかし、施設にはおいそれと入れません。
ライセンスを持って働いていた妹さんがお仕事をやめて、Nさんの介護に当たることになりました。

 言葉がしゃべれないNさんはそんな事情を悲しがって、天井を指さしてあの世へ行きたいと始終意思表示されるのです。

 ご自分の人生を犠牲にしてお兄さんの介護をする決心をした妹さんのやさしさに頭がさがります。介護負担をなるべく少なくてすむように、そして余り他人が頻回に入ることをストレスに感じる母親のために1日に1回、1時間の訪問看護の計画を立てました。

 看護師はまず吸引をして気管支にたまっている痰を取り除きます。オムツの代わりにサック式カテーテルを使用しています。サックの取替えの時、陰部を良く洗います。便は週2回浣腸して摘便で出します。その他に清拭や洗髪など1週間の計画を立てて行ってもらうようにしました。

 妹さんには1日2回の胃ろうからの栄養注入だけをしていただくようにしました。
腰痛もちの妹さんは、オムツ交換がいらないので「お陰で助かります」とおっしゃってくれました。

それでもなにやかやと「わーわー」といって細かな用事で呼ばれます。時々痰の吸引も必要なのです。一日も家を開けることができません。

 Nさんには時々ショートステイを利用していただくようにしました。
妹さんが長く介護を続けるためには、介護に開放され、自分の用事をする時間が必要と思い計画させてもらいました。
しかし、永い事外に出たことのないNさんは、嫌がって大騒ぎをして抵抗されるのです。
母親は「かわいそう」といって涙を流しています。

 「大丈夫。そのうちに慣れてきます。いつか施設に入ってもらう時がくるかもしれませんから、慣れてもらいましょう」
と励ましてショートステイに送り出しました。

 同じ所のショートスティを利用してもらいました。Nさんは4回目くらいからはようやくおとなしく受け入れてくださるようになりました。妹さんの顔つきにも緊張がとれて明るくなってきました。最近はNさんがショートステイを利用している時、友人と一泊旅行を楽しむ気持ちの余裕ができたようです。

 いつか、母親の介護が必要になるときがくるかも知れません。相談の上、特別養護老人ホームの入所申し込みをしてもらいました。600番目の順番待ちとのことです。妹さんにはお体を大事にしてまだまだ頑張っていただかねばなりません。

<ケアマネの独り言>

 先日、飯田地域で悲惨か事件がおきました。障害者の30才代の息子を70才代の母親が首をしめて殺し、自分も自殺されたのです。息子さんの病名は分かりませんが、30才代だと介護保険制度は使えません。利用料がいるようになり大変評判の悪い自立支援法を利用されていたのでしょうか?詳しい情報は入りませんが、訪問看護やケアマネの仕事をしていると、どうして介護殺人が防げなかったのかととても気になります。

 Nさんの場合も「脳性麻痺」という病名だと65才にならないと介護保険制度の恩恵を受けられません。訪問看護もそれまでは医療保険で週3回までしか利用できないのです。
65歳以下でも病名にかかわらず、障害ある方が同じように介護保険制度を利用できることが望ましいのではと思います。なにより、親身になって相談にのってくれるケアマネージャーの存在が介護殺人を防ぐことになるのではないでしょうか。



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老人達が利用しやすい介護プランを立てるため、介護保険制度の実状に、真っ向から挑むケアマネージャーとなった神崎仁(かんざきじん)。しかし現実は想像を超えるほど超多忙な日々。スケジュールに忙殺され、他のケアマネ同様に利用者に対しビジネスライクにしか付き合えなくなっていく。しかし、そんな状況でも仁を待っていたのは、ほかならぬ老人達だった。彼らの心に触れ、再び闘う意欲を取り戻した仁は、反対派だったケアマネ事業所の所長やスタッフ達のやる気を起こし、少数精鋭の仲間とともに知恵を絞り合うのだった……。全国高等学校家庭科教科書に採用!


| 今村 洋子 | ゆうゆうケアマネ塾 | 01:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
ゆうゆうケアマネ塾 第7回 「きれいなピンクの爪になった!〜ケアマネと医療機関の連携〜」
林

 寝たきり3年になるAさん〔83歳 女性〕は施設入所を嫌って一人暮らしを続けていました。そのため介護保険のサービスだけでは日常生活が成り立たず、かなり高額な自己負担が必要になっていました。

 そこに困ったことがおきました。
両足が爪水虫に感染していたのですが、石のように硬く肥厚した親指の爪が浮いていて皮膚との境からばい菌が入り、化膿して真っ赤に腫れあがったのです。ちょっと物が触っても「痛い、痛い」と大騒ぎ。

 その足の手当に訪問看護が必要になりました。オムツ交換の時、その親指に物があたらないようにヘルパーさんは細心注意を払います。帰る時は、足に布団が触らないようにダンボール箱をかぶせてもらいます。

 つまり、その足のために訪問介護は時間延長が必要、訪問看護も回数を増やすことになり、またまた介護費用の負担が増えてしまったのです。もともと気難しい上に痛いことが大嫌いなAさん。お金の心配も加わってかヘルパーさんも看護師も、Aさんから始終怒鳴られています。

 ケアマネにそれぞれから「なんとかして欲しい」と苦情殺到。主治医に爪水虫の治療を提案してみました。「長期間服用しないと効果がなく、副作用の心配もあるけど薬を出してみましょう」ということになりました。

 服薬治療が開始されました。心配した胃も大丈夫、肝機能障害も起こしません。
1カ月たちました。変化はありません。3カ月たちました。全部の爪の下から小さいピンクの新しい爪が生えてきているのが見えます。いつの間にか化膿した部分は治癒していました。

 6カ月たちました。きれいなピンクの爪を残して水虫のゴロゴロした石のような爪は全部ポロリと落ちました。

 Aさんのご機嫌が直ったことは言うまでもありませんし、なにより布団をめくったりかけたりのヘルパーさんの仕事が楽になりました。
「こんなことなら、早く治療をしてもらえばよかったね」と皆さんが口をそろえて言っていました。そのきれいなピンクの爪は服薬治療を終了しても、Aさんが天寿をまっとうするまで変わりませんでした。
雲の丘

<ケアマネの独り言>

 「介護支援専門員と医療機関との連携」がとても大切だと言われて久しくなります。
寝たきりの高齢者は皮膚疾患はじめ、幾つも病気を抱えていたり、様々なトラブルに遭遇しています。

 そういう方たちが、医療を受けることによって介護が要らなくなったり、楽になることが沢山あります。介護支援専門員の方には、医療に繋げる窓口を知る基礎知識を習得することがとても大切だと思います。

 最近、そんな方たちにとても適切な本が出版されました。
「いまさら聞けない高齢者の医学常識」三宅貴夫著 日総妍出版
 この著者は冒頭に「医療と介護は別々に提供されるのではなく、相補的、協動的な支援が行われる必要があります」と書いています。とても分かりやすく書かれています。介護支援専門員だけでなく、介護に関わる職業の方、ご家族の方も一冊手元に置かれると良いと思います。


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いまさら聞けない高齢者の医学常識
いまさら聞けない高齢者の医学常識
三宅 貴夫
看護&介護のプロとして知っておくべき高齢者特有の疾患・障害の知識が学べる書。高齢者の特徴など医学の基礎的な情報を提供し、同時に日々の介護に生かせる医療の知識や技術にも触れる。


| 今村 洋子 | ゆうゆうケアマネ塾 | 04:56 | comments(3) | trackbacks(0) |
2006年のゆうゆうケアマネ塾
2006年の「ゆうゆうケアマネ塾」を読む場合は以下をぽちっとな

ゆうゆうケアマネ塾 第5回 「いくらかかる? 寝たきり一人暮らしの高齢者」
ゆうゆうケアマネ塾 第4回 「お上に吠える熱きケアマネ」
ゆうゆうケアマネ塾 第3回 「板ばさみになるケアマネというお仕事」
ゆうゆうケアマネ塾 第2回「報われない?!ケアマネの仕事」
ゆうゆうケアマネ塾 第1回「制度の狭間で〜離れ離れの老夫婦〜」

| 今村 洋子 | ゆうゆうケアマネ塾 | 01:14 | comments(0) | trackbacks(0) |
ゆうゆうケアマネ塾 第5回 「いくらかかる? 寝たきり一人暮らしの高齢者」
紅葉 「Oさん お金があといくら残っているかわかって
 いますよね?」
 「いいえ、わかりません」
 「えっ!」
 私は一瞬耳を疑い、顔が真っ青になりました。


 腰椎圧迫骨折で寝たきり一人暮らしを続けているOさん〔88才 女性〕のケアマネをしていました。職業婦人として単身で暮らしてきたOさん。
年金が月20万円ほど入ります。介護費用を年金の範囲以内にしてほしいと依頼されていました。介護保険のサービスを目一杯使い、足りないところは自費で介護サービスを受けていました。

 ところがここ1年くらい前から、訪問介護サービスの時間がどんどん増えています。
食べる時飲み込みが悪くなり、食事時間が長くなりました。トロミをつけた食事作りも時間がかかります。飯田市では介護保険で足りない部分の補助制度がありました。その補助を受けても介護費用が月30万円を超えるようになりました。

 介護を増やすには費用が増える話をすると「お金のことはいくらかかってもかまいません」とおっしゃるので、よっぽどお金を持っているに違いないと安心してサービスを増やしていたのです。もし、ここで手持ちのお金が底をついたら、自宅での生活はできません。特養老人ホームに入所していただかねばなりませんが、簡単には入所できないことは周知のことです。ケアマネの責任が問われかねません。

 「Oさん、お金がなくなると自宅では暮らせません。施設に入っていただくことになります。急には入れません。後どのくらい自宅で暮らせるのか知りたいのです」
市の職員とお金の出し入れをお願いしているヘルパーさんと私の三人で所持金を調べさせていただきたいとお願いしました。
「そうして下さい。私もあなたにお願いするつもりでした」
Oさんも心配していたようです。すぐ承知してくださいました。

 市からは保健師さんが来てくれました。いつも枕元に置いていて誰にも触らせなかった袋を開けました。貯金通帳が沢山出できます。残高が記入されていません。ヘルパーさんに銀行に飛んでいって記入してきてもらいました。そのほかに定期貯金も見つかりました。みんな合わせると充分あることが分かりました。

 「Oさん、安心してお家での生活を続けてください。100歳まで生きてもお家で暮らせますよ」保健師さんが言ってくれました。ついでに後見人制度の利用も保健師さんが勧めてくれました。それについては私も何度か勧めたことがあるのですが「まだ必要ありません」としか返事をいただけませんでした。やはりOさんの返事は「まだ大丈夫です」と変わりありませんでした。
 
 安心して100歳まで自宅で暮らせるとわかったOさん。その後、介護職員に対する態度がガラリと変化したのです。気難しくてヘルパーさん泣かせだったOさんが急に穏やかになりました。いつもニコニコして「ありがとう」という言葉が聞けるようになりました。
信州

<ケアマネの独り言>
 
 このケースは2月11日の介護ゆうゆう塾「寝たきり一人暮らしの尊厳死」のOさんの88歳の時のお話です。再度登場していただきました。この方からは多くのことを学ばせていただきました。

 ケアマネはクライアントがまず介護費用をいくら払えるのか経済状態を把握して、その範囲で介護計画を立てていかなければなりません。老後の生活は全くお金次第なのです。

 「在宅重視の介護保険制度」が謳い文句の制度が実は一人暮らしの方に身体介護が必要になったら、この制度だけでは、ほとんど自宅では暮らせないことが分かりました。Oさんのように介護費用を月30万円も払い続けることができる方はそんなにいません。

 生活費、オムツ代等と合わせると月々約50万円必要でした。飯田地域には一人暮らしの方が3000人以上になってきました。これでは、施設をいくら造っても足りません。


 私の持論ですが、行政が巡回型の訪問介護を無償で提供することが、一人暮らしの高齢者が自宅で暮らし続けることができるカギだと思います。


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ケアってなんだろう
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「技術としてのやさしさ」を探る7人との対話。「ケアの境界」にいる専門家、作家、若手研究者らが、精神科医・小沢勲に「ケアってなんだ?」と迫り聴く。感情労働が知的労働に変換されるスリリングな一瞬。
前回までの「ゆうゆうケアマネ塾」を読む場合は以下をぽちっとな
ゆうゆうケアマネ塾 第4回 「お上に吠える熱きケアマネ」
ゆうゆうケアマネ塾 第3回 「板ばさみになるケアマネというお仕事」
ゆうゆうケアマネ塾 第2回「報われない?!ケアマネの仕事」
ゆうゆうケアマネ塾 第1回「制度の狭間で〜離れ離れの老夫婦〜」


| 今村 洋子 | ゆうゆうケアマネ塾 | 00:57 | comments(0) | trackbacks(0) |
ゆうゆうケアマネ塾 第4回 「お上に吠える熱きケアマネ」
空隣村のT村の助役さんは、私の話を聞きながら目を白黒させています。


「ヘルパーさんが祭日に休みするなんて困ります。寝たきりの人に祭日なんてないでしょう。とにかくT村社会福祉協議会のヘルパーさんの仕事は365日24時間稼動させてください。お願いします!」

 私がケアマネの担当しているT村にお住まいのUさん〔86歳 男性〕は、82歳の妻と二人暮しです。重度の片麻痺で寝たきりで、妻はオムツ交換ができません。そして、問題は、Uさんが便を出すのに、どうしても3人の手が必要であるということです。この点について私は詳細に説明しました。

「いいですか。便を出すときに、奥さんには麻痺のない手を持ってもらいます。その手が便を出す作業の邪魔をするからです。ヘルパーさんには横にした体を支えてもらいながら、看護師の合図で力一杯お腹を押してもらいます。すかさず、看護師は直腸に指を入れて、便が出るように肛門を広げるのです。そうしないとUさんは直腸に溜まっている便が出てこないのです。直腸に溜まった便は、一日置きに出します。出さずにおくと、泥状便がだらだら始終出るようになり、たちまちお尻が爛れるのです」

 ちょうど、5月の連休の介護計画を立てていた時のことでした。医療的ケアーのいる利用者さんへの訪問は、連休だからといって訪問を休むわけにはいきません。命に繋がる問題だからです。Uさんも祝日など関係なく、一日置きの訪問を計画しましたので、今までも同行訪問を依頼してきたT村の社会福祉協議会の訪問介護にもお願いをしたのです。

ところが、「祝日は、お休みで訪問できません」との返事が返ってきたのです。
「えっ、でもUさんはヘルパーさんが行ってくださらないと便が出せないのはよくわかっていらっしゃるでしょう?」
「ええ、ですから、私たちは行ってあげたいのですが、上の方たちから規則だからといって許可がでないのです」
「そんな!」

 そこで、その上の方とはどなたなのか調べていくと、社会福祉協議会の会長であるT村の助役さんであることが分かりました。私は、すぐ村役場に跳んで行って、助役さんに面会を求めて、お願いをしているというわけです。

「本来ならこのUさんは、子供はいないし、施設に入っていただかねばならないくらい重度の人ですよ。でも高齢の奥さんがどうしても自宅で看たいと言われるので、こうやって皆で頑張って在宅生活を応援しているのです。Uさんが施設に入れば、T村の介護保険料にも影響しますよね。ヘルパーさんが行っても良いといっているのに、上の人がいけないとはどういうことですか?」
私の剣幕に助役さんは返す言葉もないといった顔をしています。

「言われることは当然です。良く分かりました。私は、ヘルパーさんが祝日がお休みなんて知りませんでした。必ず善処します」
との返事をいただき、私はその場を後にしました。大体一番トップの人が何も知らないことが多いのです。直談判は効を奏しました。

 あれから3年がたちます。Uさんは大型連休だろうがお正月休みだろうが関係なく一日置きの看護師とヘルパーの同行訪問を受けながら、皮膚の状態も良く、安定した状態で生活されています。

「皆様のお陰で、こうして二人で生活していけます。ありがたいことです」
妻は介護計画表を持参して了解をいただく時に、印鑑を押しながら必ずこう言ってくださいます。

<ケアマネの独り言>

 介護支援専門員の任務の一つに「社会資源の充実」が謳われています。ケアマネにはそんな力はありませんが、社会資源が充実していない地域では仕事のしにくいこと極まりないです。
ですから、自分のクライアントに何か困ったことがあると、ついムキになって戦ってしまいます。。


利用者やご家族はお世話になっている手前、中々言えないことも、ケアマネなら言えるということは、確かにあります。ケアマネの意識ひとつで、少しずつですが、世の中を変えていくことも決して不可能ではないと思うのですが…。

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| 今村 洋子 | ゆうゆうケアマネ塾 | 00:59 | comments(0) | trackbacks(2) |
ゆうゆうケアマネ塾 第3回 「板ばさみになるケアマネというお仕事」
空

 「Kさんが台所の電気にぶら下げていたひもを盗んだと言って、うちのヘルパーをなじるのです」
とヘルパー事業所からケアマネの私に相談の電話です。

「あっ、また始まった」と思いました。
1年前のことです。電話がかかって来ました。
「ケアマネさん。Kですけど。あのね、近所の人がうちの電話を盗聴しているので、うちからは電話かけられないの。今タクシーで公衆電話まで来てかけています。今日の訪問看護は中止してくれるように言ってください。とても身体がだるいのでお願いします」

 Kさん〔80歳 女性〕は夫を亡くされた後は永いこと一人暮らしをしてきました。
骨そしょう症のために、腰がエビのように曲がっていて、膀胱の機能も悪く腹部から直接管を膀胱に入れる膀胱留置カテーテルをした生活をされていました。その管の管理のために週に1回訪問看護をお願いしていました。
「はい。承知しました。お大事にしてください」そう返事をして、すぐ主治医に報告しました。主治医が服薬治療を開始してくれました。一月ほどすると忘れたように電話の盗聴のことを言わなくなりました。

 でも、この「電話の盗聴」の一件以来、時々Kさん宅を訪ねて、話し相手になってくれたり、ちょっとした家事を手伝ってくれていたご近所の友人は二度と訪ねてこなくなりました。

その後Kさんは腰の痛みがひどく寝たきりになり、毎日ヘルパーさんのサポートが必要な生活になりました。訪問看護も回数を増やしてもらいました。
「物取られ妄想」は看護師にも飛び火してきました。
「T看護師が電子手帳を盗んでいったのよ。3人も子供がいるので欲しかったのでしょう。もうT看護師は私のところによこさないでください」と言ってきました。

電子手帳なんてKさんのお宅で見たこともありません。病気が言わせているとわかっていてもT看護師は大変ショックを受けました。要領よく、手早く仕事をするT看護師をKさんはとてもお気に入りで、いつもT看護師に来てほしいと指名してきていたからです。

その「物取られ妄想」も服薬治療で一月ほどでなくなりました。

その後、時々訪ねて来ていた妹さんや姪御さんが訪ねてこなくなりました。
「家や土地を狙っている」となじられたとのことです。

T看護師も病気が言わせたとわかっていても、その後中々訪問をする気になれないようでした。
「一番信頼している人や親しい人が対象になるそうよ」とT看護師を励まして、訪問を再開してもらいました。

すると、
「まあ。どうして来て下さらなかったの。あなたが来てくださるのを待ってたのよ」
と歓迎されたそうです。

主治医を交えて、ケアマネである私と、ヘルパーさんと看護師とで担当者会議を開催しました。結論は食事や水分摂取量が減ったり、風邪を引いた後など体調が悪くなると妄想が起きることが分かりました。

皆でKさんの体調に気をつけて、早めに対策をしていただくことにしました。
医師は高カロリーの栄養補助剤を処方してくれました。

その後、Kさんは妄想を一度も起こしませんでしたが、3年後、老衰も進み、病院でお見舞い客のほとんどない、寂しい最後を迎えられました。


<ケアマネの独り言>

 利用者さんや、そのご家族とサービス業者との間で何かトラブルがあると双方から、ケアマネの方に抗議がきます。双方の言い分を聞いて、トラブルを解決し、全体を調整していくのもケアマネの仕事のひとつです。

ですが、ケアマネは介護問題の「何でも屋」ではありません。しかし、実際には、何か起これば何でもケアマネに言えば良いと思っている人は多いようです。そこがケアマネのつらいところです。

例えば、高齢の方が長い年月をかけて培ってきた価値観を、若いヘルパーさんには理解できず、トラブルが起こりがちです。いちいち細かいことに文句をつける利用者さん対して、ケアマネに「何とかして欲しい!」と抗議してきたヘルパー業者がありました。

「それってケアマネの責任ですか?ご本人の性格を変えることまで、ケアマネはできません。そちらで対応を工夫してください」と言ってやりたいところですがが、サービスの提供を断られると困るのは、ご本人と家族、そして当のケアマネです。

「申し訳ありません。なんとか話してみますから、よろしくお願いします」と頭をさげてしまいます。心の中では、「なんでケアマネが謝らなくてはいけないの?」とつぶやいています。

今年4月からのケアマネの報酬の改正は、受け持ちの人数の制限などあり、結果的には大変な減収になっています。居宅支援事業所を閉鎖することを考えているところも少なくありません。こうなるとますます人材不足が深刻になり、「ケアマネ難民」(ケアマネがいない状態の要介護者)が、ますます増えるのではないかと、懸念しています。


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認知症になるとなぜ「不可解な行動」をとるのか―深層心理を読み解きケアの方法をさぐる
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“ボケ”“痴呆”と呼ばれてきた認知症の人々の「心理」に焦点を当て、健常な人が「不可解な行動」と感じるさまざまな言動が、なぜ起こり、何を意味しているのか、また、どのように接していけばよいかを、ケーススタディを中心に解説。
前回までの「ゆうゆうケアマネ塾」を読む場合は以下をぽちっとな
ゆうゆうケアマネ塾 第2回「報われない?!ケアマネの仕事」
ゆうゆうケアマネ塾 第1回「制度の狭間で〜離れ離れの老夫婦〜」

| 今村 洋子 | ゆうゆうケアマネ塾 | 02:04 | comments(2) | trackbacks(0) |
ゆうゆうケアマネ塾 第2回 「報われない?!ケアマネの仕事」
空

 電話を受けていたケアマネージャーAさんの顔が引きつって真っ青になりました。
「主治医がTさん〔80才 女性〕は認知症ではない、物忘れは誰でもある。なんでもかんでも認知症にするなって。お叱りの電話なの。」

5年前のことです。
Aケアマネは第1回の介護支援専門員の資格試験に合格し、私たちの職場のケアマネの担当責任者として張り切って仕事していました。

そこに新しいケアマネ担当の依頼がはいりました。
ひとり暮らしの母親がどうも認知症らしいと別居している息子さんからケアマネの依頼です。
Aケアマネは早速、息子さんの都合に合わせ、夜何回も息子さんと一緒にTさんのお宅に伺って話しをお聞きし、相談に乗ってきました。
息子さんの心配されるように、AケアマネはTさんは認知症の初期と確信したのです。
Tさんの冷蔵庫を開けると10個入りの卵ケースが幾つも入っています。
買ったことを忘れて購入しているようです。

Aケアマネはまず市へ介護認定申請の手続きを代行しました。
そして主治医に意見書を書いていただくため、Tさんの受診を息子さんにお願いしたのです。
「主治医が認知症でないと言われるのなら、申請しても無駄よね。」
Aケアマネはその後どうして良いかわからないと頭を抱えていました。

それから1週間たった朝10時ころです。
息子さんから慌てた電話がきました。「母親が朝から家に居ない。近所の人が知らせてきた」

Aさんはすぐ飛び出していきました。徘徊が始まって自宅に帰れなくなったに違いありません。

会社を早退してきた息子さんと、近所の人幾人かで探し回り、Tさんを発見したのは午後の3時を回っていました。

責任感の強いAさんは「もしTさんにもしものことがあったら、私の責任だった。もっと主治医と話し合ってしかるべき対応をするべきだった」と自分を責めました。
この時、ケアマネの仕事の難しさと恐さを身をもって感じたようです。

 その後、息子さんはしばらくTさんの家に同居された後、Aケアマネの紹介を受けて新しくできたグループホームにTさんを入居させました。現在はグループホームで安定した生活をされているそうです。

しかし、Aさんはケアマネの仕事に自信をなくし、ケアマネの仕事から手を引いていきました。


<ケアマネの独り言>

 「ケアマネなんかやってられっか!」というブログを発信されている方がいます。
ケアマネの仕事は制度の矛盾もあり、「やっていられない」という思いをすることがたびたびあります。

AケアマネがこのTさんに関わった時間は大変な時間になりますが、なんと一円も介護報酬が入ってきません。全部ただ働きのボランテアになってしまうのです。

在宅のケアマネの介護報酬は在宅のサービスを何か一つでも使ってもらうことで入る仕組みになっています。Aケアマネが、この仕事は報われないとの思いを抱いたのは当然です。

しかしながら、責任感が強く、他のケアマネの指導的役割を果たしていたAケアマネが仕事から手を引いたのは、高齢化が進む一方の地域の住民にとって大きな損失だと思いました。

介護保険制度のキーマンであるケアマネの身分をきちんと保障し、仕事の重要性をもっと社会が認識することが、高齢者やその家族が安心して暮らせる社会づくりにつながると信じています。


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| 今村 洋子 | ゆうゆうケアマネ塾 | 01:53 | comments(1) | trackbacks(0) |
ゆうゆうケアマネ塾 第1回 「制度の狭間で〜離れ離れの老夫婦〜」
 「早く、おじいさんが入っている施設に入れてください。一人暮らしは不安で寂しい」
Aさん(94才 女性)は介護支援専門員(以後ケアマネ)として訪問する私に開口一番にこう言ってきます。夫が入っている特別養護老人ホームへ入れて欲しいと訴え続けて3年になります。

 Aさんご夫妻は長男夫婦に先立たれるというご不幸にあわれました。その直後Aさんの夫(97才)は脳血管障害で寝たきりになり、私どもの訪問看護とAさんの介護を受けながら自宅での生活を続けていました。お二人はお互いを慰めあい、いたわりながらとても仲の良い夫婦でした。

3年前、夫が申し込んでいた特別養護老人ホームの入所が決定してきました。Aさんも91才になっていて在宅介護は限界でした。夫は自宅で暮らし続けたかったのですが妻のことを思って入所されたのです。
Aさんは膝が痛く、立ったり座ったりが不自由なほかはとてもしっかりされていて何度介護認定を受けても、一番軽い「要支援」としか認定されません。
「要支援」ではどこの施設にも入所はできません。

 Aさんはいつ訪問しても、電気代や石油代がもったいないと日の当たらない居間で電気もつけず、布団にくるまっているのです。閉じこもりの一人暮らしです。
介護保険制度の枠内で、「要支援」と判定されたAさんが使えるサービスは、とても限られています。週に1回の入浴を目的としたデイサービスと、夫が入所している施設のショートステイを利用しています。
夫と過ごせるショートステイを一番楽しみにしていますが、月4日ぐらいしか宿泊できません。夫もAさんと過ごせるのをとても楽しみにしているそうです。

 「ケアマネさん。どうしたらおじいさんの所へ入れてもらえるの?」真剣な眼差しで聞いてきます。
「うーん」
返事に困ってしまいます。
まさか、認知症になるか、骨折でもして寝たきりになると入れてもらえるかも知れないなどとはいえません。

 94才の一人暮らしはケアマネとしても「何かあったら」といつも気になり、頭からAさんのことが離れません。昨年、行政が措置入所してくれる軽費養護老人ホームへ申し込みました。
調査の後、返事が返ってきました。
「持ち家で暮らしている人は対象になりません。家がなくて困っている方がたくさんいて、そちらの方が優先です」とのこと。

 今年の介護保険制度では介護が必要にならないよう、予防重視ということで、「要支援1」と「要支援2」と認定された人は「地域包括支援センター」で予防介護計画を立てることになりました。
 
 Aさんは5月の更新で「要支援1」と認定されました。やはり最も軽いランクです。引き続き依託を受けて私がケアマネをさせてもらうことになりました。

 今、Aさんの介護予防計画の作成に頭を抱えています。


<ケアマネの独り言>
 
 ケアマネとは因果な仕事です。ご家族のいない高齢者の受け持ちになると、結果的に、その方の老後の人生を全部背負う形となります。
クライアントは、ケアマネさんにお願いすれば、何でも聞いてもらえると思いがちです。

一方、ケアマネの方も引き受けた以上、なんとかクライアントの希望を叶えたい、最善の状態で生活してもらいたいと、一生懸命になるものです。
しかしながら、「制度」の枠内でしか動けないケアマネがしてあげられることには、どうしても限界があります。ですから、一生懸命なケアマネほど、常に矛盾をかかえながら仕事をすることになります。

 仲の良いご夫婦が人生の最後を一緒に暮らしたいという願いを、どうしてこの豊かな日本で叶えてあげられないのでしょうか…。


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2005年4月に開催された緊急市民集会「おかしいよ!介護保険 制度改定と「介護のある暮らし」を考える」の参加者および「介護保険の見直しを考える連続ワークショップ」のゲストらが、改正の問題点を指摘する。
| 今村 洋子 | ゆうゆうケアマネ塾 | 01:38 | comments(1) | trackbacks(0) |
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